そもそも過払い金は、なぜ発生するのか。
その原因は、金利に関して二重の基準があるために「グレーゾーン金利」と呼ばれる金利帯ができてしまったことにあります。
現在、貸金の利息を制限している法律は2つあります。
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「利息制限法」
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「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律(以下、出資法)」
利息制限法では、貸金の利息について貸付金額毎に
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10万円未満 → 年20%
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10万円以上100万円未満 → 年18%
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100万円以上 → 年15%
という上限を定めています。
そしてこの上限を超える利息の契約は、超えた部分について無効ということになります。
しかし、現在の消費者金融やクレジット会社は一般的に年20%台の利息でお金を貸し、借りた人もこれを約束どおり返済しているケースが多いのです。
例えば、貸金業者から50万円を借りた場合、利息制限法によれば業者は年18%の利息しか取ることができませんから、年間で9万円の利息しか受け取れないはずです。
ところが、28%という金利を契約で定め、14万円の利息を受け取っているケースが多いのです。
この場合、1年だけだと差額が5万円ですが、6年ほど経つと、相乗的に差が開き、50万円以上になって、過払いになるわけです。
では、業者はなぜそのような利息の契約で公然とお金を貸しているのでしょうか。
それは、利息制限法には罰則がないからです。
これに対し、「出資法」には、罰則があるのです。
そこで、年間で29.2%を超える利息では、貸金業者は融資しないようにしています。
貸金業者にしてみれば、利息を高くした方が利益が上がります。
そこで、利息制限法の金利を超え、出資法の29.2%以下の金利帯で貸金業者は、融資をしていたのです。
このように利息制限法の金利を超え、29.2%以下の金利をグレーゾーン金利と呼びます。